LHCbの100億分の1の崩壊:42年の探索を経てB⁰→μμの初証拠
2026年11月3日、CERNでのセミナーで、LHCbコラボレーションは、1980年代初頭から粒子物理学者が追い求めてきたものを発表した。中性B中間子が2つのミューオンに崩壊するという、単一の実験による初めての証拠である。この過程はB⁰→μμと書かれ、標準模型によれば、こうした粒子100億個あたり約1回しか起こらない。42年の探索を経て、その信号はついにノイズの上に浮かび上がった。有意性は3.2標準偏差であり、「証拠」と呼ぶには十分だが、「発見」と呼ぶにはまだ足りない。
この区別が重要であり、それこそが物語の核心である。素粒子物理学では、3シグマが「証拠」、5シグマが「発見」だ。3.2シグマの結果は、データの隆起が統計的ゆらぎである確率がおよそ1500分の1であることを意味する。強い示唆ではあるが、示唆が消え去ったことはこれまでにもあり、CERNの会場にいた誰もがそれを知っている。今回が違うのは、その背後にある装置だ。2024年から稼働するアップグレードされたLHCb検出器は、以前の最大5倍の速度でデータを収集しており、今回の解析は2024~2025年の新データと2011~2018年に記録されたすべてのデータを組み合わせ、機械学習技術と粒子識別手法によって、数十億回の衝突の中からごく少数の真の崩壊を選び出した。
この結果は、もう一つの測定も鋭くした。B⁰の信号と並んで、LHCbは2015年に初めて観測された姉妹崩壊B_s→μμについて、これまでで最も精密な測定を寿命とともに示した。どちらの測定も標準模型と一致する。これは安心できることであると同時に、やや物足りないことでもある。こうした稀な崩壊が珍重されるのは、まさに新物理が最初に姿を現す場所だからだ。極めて短い距離で働く未知の粒子や力が存在すれば、崩壊率は標準模型の予測からずれるはずである。これまでのところ、ルールブックは持ちこたえているが、その検証は今や、これまでどの実験も到達したことのない領域に入った。
解析の一部を主導し、重要な検出器技術を構築したバーミンガムの物理学者たちは、この結果を「ゼプトバース」への窓だと表現する。1メートルの10億分の1のさらに1兆分の1という距離の世界で、未発見の粒子や力が潜んでいるかもしれない場所だ。この表現は、この結果の位置づけを正直に示している。それは標準模型の亀裂ではなく、亀裂が現れればそこに現れるはずの場所に向けられた新しい観測手段である。B中間子の寿命は約1兆分の1.5秒であり、その一瞬のうちに、他のどんな手段でも到達できないエネルギーと距離の物理をサンプリングしている。100億個の崩壊を見守り、そのうち2つのミューオンになるごく少数を数えることは、科学における最も精密な「ヌルテスト」の一つであり、繰り返し合格するヌルテストそのものが情報なのだ。なぜなら、異なる崩壊率を予測した理論の体系全体を排除してくれるからである。
今後の問題は、証拠から発見へ到達するのにどれだけかかるかだ。有意性はおおむね収集データ量の平方根に比例して伸びるため、3.2シグマから5シグマへ到達するには、実効信号でおよそ2.5倍が必要になる。アップグレードされた検出器の能力からすれば、今後数年で達成可能な量ではあるが、保証されたものではない。解析手法の改善、検出器の性能、そして次のデータのゆらぎの運も関わってくるからだ。それが、この記事とともに私が行う予測である。B⁰→μμは2028年末までに5シグマの発見基準に到達する。もし実現すれば、LHCで観測された最も稀な崩壊が、自然界の確認された事実となる。もし消え去れば、それもまた有益な情報となる。この分野では、ブレークスルーとゆらぎの境界は、願いではなく測定によって引かれるのだということを思い出させてくれるからだ。